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- ウイスキーづくりへのこだわり 「"違い"が広げるおいしさ」
余市と宮城峡では、違うタイプのモルトを生み出すためあえて異なるポットスチル(単式蒸溜器)と加熱方式を導入。
ふたつの蒸溜所のモルトの個性を際立たせ、おいしさの幅と可能性を広げています。
余市のポットスチルは「ストレートヘッド型」。
胴体部分に膨らみがありません。また、上部のラインアーム(冷却器へつながるパイプのような部分)は下向きになっています。
この胴体とラインアームの形状からは、重厚でコクのあるモルトが生まれるとされています。
さらに、余市ならではの薫り高く力強いモルトを生み出す決め手となるのが「石炭直火蒸溜」。
創業当時からの変わらぬ手法です。火をゆっくりと焚き、ゆっくりと蒸溜するのが難しいところ。熟練職人が長年の経験を元に温度が上がりすぎぬよう石炭をくべ続け、燃えかすを取り出し続けます。

難しくても、効率が悪くても伝統の技が受け継がれているのは、これこそが「余市モルト」を生み出す手法であるからに他なりません。
竹鶴政孝が学んだロングモーン蒸溜所のポットスチルは「ストレートヘッド型」、そして当時は「石炭直火蒸溜」を行っていました。今ではスコットランドでも珍しくなった「石炭直火蒸溜」の技は、時代と国境を越え、余市蒸溜所に生き続けているのです。
宮城峡蒸溜所のポットスチルは、胴体部分に膨らみを持つ「バルジ型(ボール型)」。
そして上部のラインアームは上向きになっています。
この胴体とラインアームの形状からは、一般的に軽やかでスムースなモルトが生まれるとされています。
宮城峡蒸溜所では、華やかな香りのモルトを生み出すための工夫をウイスキーづくりのあらゆる段階で行っています。そのひとつがスチームを使った「蒸気間接蒸溜」。ポットスチルの底と釜の内部にめぐらせたパイプにスチームを通し、「石炭直火蒸溜」より低温の約130℃でじっくりと蒸溜します。

あえて余市とは対極の設備と手法から生まれる「宮城峡モルト」。
その華やかでフルーティな香り、飲みやすくまろやかな味わいは、ウイスキーファンの裾野をさらに広げてくれそうです。
![【余市】[ポットスチル:形状]ストレートヘッド型 重厚でコクのあるモルトが生まれる。[ポットスチル:ラインアーム]下向き 重厚でコクのあるモルトが生まれる。[加熱方式]石炭直火蒸溜 力強く薫り高いモルトが生まれる。【宮城峡】[ポットスチル:形状]バルジ型 軽やかでスムースなモルトが生まれる。[ポットスチル:ラインアーム]上向き 軽やかでスムースなモルトが生まれる。[加熱方式]蒸気間接蒸溜 華やかで柔らかなモルトが生まれる。 【余市】重厚でコクのあるモルトを生み出す余市のストレートヘッド型。(ラインアームは下向き) 【宮城峡】華やかで柔らかなモルトを生み出す宮城峡の膨らみを持つバルジ型。(ラインアームは上向き)](./img/s02_fig_01.gif)
