現在ご覧のページは:
  1. HOME
  2. ニッカがおいしい理由
  3. 受け継がれる技 「火を操る職人」
(本文ここから)

受け継がれる技 火を操る職人 石炭直火蒸溜の技と心

"余市の味"が出る限り、守り続けていく意味がある

ポットスチルを直火焚きで蒸溜する蒸溜所は、スコットランドでも数えるほどしかなくなりました。しかも現在はガス燃料の使用が主流となり、「石炭直火蒸溜」を行う余市蒸溜所は世界でも稀な存在です。

1934年の創業以来、受け継がれる「石炭直火蒸溜」。
ポットスチルの下にある扉の窓からは、真っ赤な炎がのぞいています。職人がサクッと石炭の山にスコップをさし、扉の中へ石炭を撒けばパチパチとはじけ、やがて勢いを増す炎。蒸溜が始まると15分おきに火を窺い、石炭をくべます。その火加減を体得するまで10年。

「最初は強く、後はとろとろとろとろと焚きなさい。温度は上げすぎないように」というのがずっと受け継がれてきた先輩たちの教え。
「静かにゆっくり焚いたらいい香りの酒ができる」とはいえ、すべては見よう見まね、身体で覚えていくしかなく、スコップに入れる石炭の量も見逃すことはできません。

「とろとろとろとろ」ゆっくりと温度を上げすぎずに焚くというのが、実はかなり難しい。
蒸溜を始めてから3時間くらいが微妙で、強めたり、弱めたり。3時間を過ぎればほぼ大丈夫とのこと。また、石炭くべが難しい一方で、燃えかすを取り出すタイミングも重要。燃えかすが残って燃焼が悪くなると、即、蒸溜に影響が出ます。

まさに火と闘い、火を操る職人。直火焚きのベテランにこの仕事の誇りを伺えば、
「本当に“優れた”製法かどうかはわからない。効率はよくない。一日働いたら真っ黒になる(笑)。
でも、これが香り豊かで力強い“余市の味”を生み出すと言われている。ならば、価値がある。
どんなに機械化が進んでも、石炭直火蒸溜を守り続けていく意味がある。」

「若い人は覚えが早いから何も心配していない」というのもベテランの一言。「石炭直火蒸溜」の技術は、すでにしっかりと伝承済みのようです。

(本文ここまで)
  • Page top