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商品紹介 スーパーニッカ

初代ボトル

立派な衣装を着せてやりたい

 「ウイスキーが熟成するまでに何年もかかる。これは娘が大きくなれば嫁にやるのと一緒なのだから、立派な衣装を着せてやりたい」。
 最高のウイスキーには最高のボトルを。竹鶴政孝は、夢と理想を追った酒、スーパーニッカのボトル製作を、以前から付き合いのあった各務(かがみ)クリスタルに依頼している。

 

 各務クリスタルは1934年、ニッカウヰスキーと同年に創立されたガラス工房である。創業者の各務鉱三氏は青年時代、ドイツに渡ってガラス工芸を学んでいる。政孝がスコットランドから帰国し、日本でウイスキーづくりを始めた頃である。ヨーロッパ体験が二人を意気投合させたのか、政孝とはしばしば酒を酌み交わしたという。1955年にはゴールドニッカのボトルを製作してもいる。

容器というよりひとつの工芸品

 1962年、念願のスーパーニッカが完成し、これを収める容器を探していた政孝は、あるとき各務クリスタルを訪れて、一本のボトルに目を留めた。
 「パッと見るなり“これがいい”と、抱きしめて離さなかった」。各務氏の片腕として活躍していたガラス工芸作家、佐藤潤四郎氏は、かつてそう語っている。溶けたガラスに吹き竿を使って息を吹き込み、一本ずつ手で完成させる手吹きのボトル。すらりと伸びた首と柔らかにふくらんだボディ、容量もぴったり合っていた。
 難点は手づくりゆえに量産できないこと。高価でもあった。2級ウイスキーが300円台で買えた時代、ボトルの原価だけで500円したというのだから、容器というよりひとつの工芸品といえた。手吹きゆえ口径が一本一本異なり、これまた手で作られたガラス栓とは、ひとつずつ擦り合わせる必要があった。ボトルと栓、それぞれに番号がふられ、これが合致しないとぴたりと閉まらなかった。

 

 やがて、機械によるボトル製造技術が発達し、スーパーニッカのボトルも手吹きから機械吹きへと置き換わる。しかし、鶴を思わせる優美な姿は変わらなかった。
 このボトルのデザインについて問われた佐藤氏は、こう答えたという。
「だいたい壜(びん)というのは、放っといてもああいう形になるんですよ」。
 ガラスに吹き竿で息を吹き込めば自然な球形が生まれる。そこから注ぎ口を長く伸ばせばスーパーニッカのボトルになる。
 自然が生んだ、繊細な造形。自然に育まれたスーパーニッカにふさわしい、みごとな花嫁衣裳であった。

初代スーパーニッカ
初代スーパーニッカ

リニューアルボトルデザインについて リニューアルボトルに込められた「至福の贅沢」と「夢の実現」

 リニューアルされたスーパーニッカは、従来のフォルムを受け継ぎながらも、引き締まった魅力あるボトルを具現化している。デザインしたのは加納守康氏。加納デザイン事務所の代表として、化粧品や食品など、さまざまな生活関連用品のパッケージデザインを手がけるデザイナーである。

加納守康氏

 加納氏は、デザインを始めるにあたって、雪の降りしきる厳冬の余市を訪れたという。
「ポットスチルや貯蔵庫にかけられたしめ縄。それだけでも、あり余るほどのインパクトがありました」。
 竹鶴政孝がウイスキーづくりにかけた熱い思い。それを源とするニッカウヰスキーの歴史。スーパーニッカは、そうした歴史の中で生み出されてきた。
 「余市で見た石炭の炎と政孝翁の情熱の炎をモチーフにしながら、いかに世界観をつくり、飲み手と“対話”できる商品につくり上げるか・・・、余市で決まりました。スーパーニッカの原点を余すところなく肌で感じておきたかったので、春先には宮城峡にも足を運びました」。

加納守康氏
リニューアルボトル

 歴史ある製品のリニューアルを手がけるということでは、プレッシャーも感じたという。
 「ですが、新しいウイスキー時代の扉が開くことを願ってデザインを始めました」。
 ブランドアイデンティティーが確立されたものに、いかにして新しい価値を表現するか。ニューボトルは、独得の形状はキープしながら、よりシェイプアップされている。さらに、背後には「S」の文字が象徴的に入っている。これは、いうまでもなくスーパーニッカのイニシャル。
 「スーパーニッカの証しである『S』を入れることで、より進化を遂げたブレンデッドウイスキーの味に対する自信の表現と、ユーザーの心をつなぐシンボルとなることを狙いました。形状はほぼキープしましたが、その理由は何といってもこの長い注ぎ口です。ウイスキーを注ぐ際にとても良い音がするんです。」
 デザインをスタートさせてから完成までには、一年以上を要した。
「自分を楽しむ贅沢なひとときに、揺らぐ液面にきらめくシンボルを眺めながら、さまざまな思いにふけっていただければ、うれしいですね。スーパーニッカをボトルとともに愛でながら、大人としての楽しみの時間を持っていただけたら。そう願っています」。




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