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vol.16 竹鶴政孝、夢の集大成のブレンド 〜スーパーニッカ〜

Taste of passion

「スーパーニッカ」が発売されたのは昭和37年でした。その当時のウイスキーの多くはほとんどモルトが入らないイミテーションウイスキーでしたが、つくれば飛ぶように売れていましたニッカバー、トリスバーの時代から高度成長期がはじまり、ウイスキーが広く飲用される時代が訪れつつありましたが、主流は当時の2級ウイスキーでした。そんな時代に、ニッカウヰスキー創業者竹鶴政孝は余市のモルト原酒をふんだんに使った特級ウイスキーの開発を続けたのです。「スーパーニッカ」は、そんな政孝のウイスキーづくりの集大成と言えるかもしれません。
前年の昭和36年、政孝は最愛の妻、リタを亡くしました。英国から遠く日本にやってきて、政孝のウイスキーづくりの夢を支え続けてきたリタの死。そんな政孝にとって、新しいウイスキーづくりへ没頭する事でしかその悲しみを紛らわす事はできなかったのかもしれません。政孝は息子の威と共に余市の貯蔵庫の樽を吟味し、研究室にこもって、「スーパーニッカ」をつくりあげたのでした。当時はまだ熟成したカフェグレーンウイスキーも、仙台モルトもなく、余市のモルト原酒のなかから最高のものを選んでブレンドしたので、中身はほとんどシングルモルトでした。ウイスキーづくりに人生をかけた男がつくりあげたウイスキー。そこには愛する妻への想いと、枯れることのない情熱がこもっているのです。

「スーパーニッカ」が発売された後、ニッカはカフェグレーン蒸溜機導入(1962年)、宮城峡蒸溜所竣工(1969年)と、本物のウイスキーづくりを求めつづけた政孝の思いを実現してきました。二つの蒸溜所のモルトとカフェグレーンが醸し出す芳ばしい香りと洗練された口当たり、水割りにしても揺らぐことのないボディで、多くのファンから今でも愛され続けています。

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