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vol.22 理想郷の名を持つウイスキー 〜シングルモルト宮城峡10年〜

Whisky that tastes“MIYAGIKYOU”

ウイスキーの原酒は同じ時に、同じ方法で醸造・蒸溜しても、わずかな貯蔵環境の違いによって、様々な個性に育ちます。つくられた環境が違う原酒同士を合わせることが、より味わい深いウイスキーを生むのです。しかし、その理由は解明されていません。科学が進歩した現在でも、説明できない神秘の部分を持つウイスキーは、あと数百年経っても同じ謎を残しているに違いありません。
 ニッカウヰスキー創業者、竹鶴政孝は余市モルトにブレンドする新たなモルトをつくるために第二の蒸溜所を建設する土地を探し求め、現在の仙台市郊外の広瀬川上流に理想の土地を見つけ出しました。それこそが広瀬川と新川川がスギやブナの生い茂る森に渓谷を刻んだ宮城峡だったのです。清冽な新川川の水でウイスキーの水割りを飲み「ここに決めよう」と頷いた政孝の脳裏には、すでにこの蒸溜所で誕生するであろうウイスキーが描かれていたのでしょう。
 昭和44年、赤いキルンが緑に映える宮城峡蒸溜所が誕生、次々に原酒が樽に詰められ熟成の眠りにつきました。竹鶴政孝は著書「ウイスキーと私」にこう記しています。「新しい気分で、私と仙台モルトの新鮮な出会いが続いた。そして、期待通りの立派な一人前のモルトになってくれた―」華やかな香りとまろやかな味わい、竹鶴政孝が「ジェントルなウイスキー」と太鼓判を押した宮城峡生まれのウイスキーは余市の力強いモルトと出会い、絶妙な味わいのピュアモルトウイスキーを、そこへカフェグレーンが加わり深い味わいを持つブレンデッドウイスキーを誕生させ、ニッカのブレンドッドウイスキーの品質の根幹が整いました。そして2003年、竹鶴政孝が新たな夢を見出した宮城峡で生まれたシングルモルト宮城峡が新たに誕生しました。

 シングルモルト宮城峡10年は、グラスに注いだ瞬間、華やかな香りがふわりと鼻をくすぐります。軽やかな麦芽の香りと樽の香ばしさとの調和は自然の中に佇む蒸溜所を思わせ、クリーミーな甘さと、シルクのようになめらかな味わいは宮城峡の自然を彷彿とさせます。

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