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- vol.23 アイラモルトの変わり者 〜ブナハーブン〜

スコットランド西南に浮かぶアイラ島は面積約600平方キロメートル。この小さな島には8つの蒸溜所があり、マーガディル川の河口に位置するのがブナハーブン蒸溜所です。アイラモルトの特徴といえば「強烈な*ピートや海藻の香り」があげられますが、ブナハーブンに至っては他の蒸溜所とは異なり、ほとんどピートを焚かないため、華やかな香りとフレッシュな酸味にほのかな潮の香りが調和して、穏やかながらもリズミカルさのある味わいのウイスキーに仕上がっています。また、他の蒸溜所の多くがピート層をくぐり抜けた水でウイスキーを仕込むのに対して、ブナハーブンはマーガディル川の水で仕込まれるということも、味わいを大きく左右している要因のひとつです。海藻や潮の香りは、蒸溜所すべてが海辺に面しており、貯蔵庫に直接かかる海水や潮風を樽が呼吸するときに吸い込んで生まれるものです。アイラ生まれのウイスキーはとても個性的だといわれていますが、アイラモルトの中では、このブナハーブンこそ個性的、変わり者のウイスキーだといえるでしょう。
ラベルに描かれているのは、舵輪を握る船乗りの姿と、スコットランド民謡の一節“Westering Home”の文字。“Westering Home”というのは、「西の故郷へ」という意味で、航海に出たスコットランドの船乗りが、アイラ島、ジュラ島の島影を目印に故郷へ帰ってきたときの様子を歌にしたものです。裏に貼られたラベルには船乗りを迎える家族の姿が描かれています。グラスに注いだら、可憐な花を思わせる香りを楽しんでください。「アイラモルトは苦手」という人に、こっそりブラインドでテイスティングしてもらったとしたら。さて、どんな答えが出てくるでしょうか。
ブナハーブンは熟れたりんごやオレンジのような甘酸っぱさ、針葉樹を思わせるグリーンの複雑な香りと、クッキーの甘さ、タンニンのコクを感じさせる味わいのウイスキー。華やかで優しいアイラモルトは、きっと貴方に嬉しい驚きをもたらしてくれることでしょう。
*ピート・・・・草花が堆積した草炭。ウイスキーの原料である大麦麦芽の乾燥に使われる燃料で、スモーキー・フレーバーというウイスキー独特の香りの素。

