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エルギンの駅、ロングモーン蒸溜所

エルギンの駅、ロングモーン蒸溜所

グラスゴー大学で応用化学を学ぶなかで父は、ウィルソン教授と出会った。

教授に薦められた「ウイスキー並び酒精製造法」を読みすすめていくうち、著者ネトルトンに会って直接教えを請いたいと考えた。父はグラスゴーからネトルトンのいるスペイサイドの町エルギンへと向かったわけだが、日本から来た青年にそうやすやすと商売道具のウイスキーづくりを教授してもらえるはずもなく、今回持参した当時の日記には悔しかった思いが記されている。

そんな思いを胸に宿を求めたというエルギン駅前のステーションホテルに行ってみた。
現在、線路は別のところを走っているが駅舎の建物やステーションホテルは当時のまま。
日記には「ホテルの3階の狭い部屋に押し込まれるようにして泊まった」とある。

エルギンから車で20分の距離にあるロングモーン蒸溜所、
父が実際の製造工程をスコットランドで最初に教えていただいた蒸溜所を訪れた(当時の名称はロングモーン・グレンリベット蒸溜所)。

突然押しかけたにもかかわらず工場の皆さんは親切に教えてくださった、と聞いている。
今回も、その時と同じように工場長Alan J. Winchester氏は我々を歓迎してくれた。

工場での実習はわずか1週間(実質5日間)の期間とはいえ、丁寧に教えてくれたらしい。
Winchester工場長は、場内を丁寧に案内してくれるとともに、当時のマネージャーと父が記念撮影をした場所を案内してくれた。

フランクな雰囲気の蒸溜所、またそのたたずまいは以前のまま、製造設備も、もちろん一部コンピューター制御になっている箇所もあったが、基本的には昔のままなのだろう。
当時の面影を随所に残している。
蒸溜所によってバラエティに富むポットスチルの形状にしても、この蒸溜所のそれは余市のものとよく似ている。

「余市の工場によく似ている。余市は工場だけでなく環境や気候、風景までもがスコットランドによく似ている。だから母は寂しくなかったのでしょう」とは家内の歌子。
確かに、余市建設時にはこの蒸溜所を参考にしたのだろう。

父とともにスコットランドを訪れたのがたった1回だけある。

それは東京オリンピックの前年のこと。
その時の出張目的は、カフェ式のグレーンウイスキー蒸溜機の調達であった。当時は今回のように蒸溜所を尋ねても場内を見せてくれることはまずなかった。

しかし今回のツアーでは、蒸溜所の方々がみな、心から歓迎してくれていた。ニッカのウイスキーを“日本のスコッチ”と呼ぼうと言っているひともいた。

SMWSの発表会でも感じたことだが、「スコッチ以外はウイスキーではない、ましてや日本のウイスキーなんか…」と思っている伝統主義者の多いスコットランドで、偏見を受けることもなくこれだけ温かく迎えられことは、甚だ感激であった。