のんびりと、ぼーっとしながら
ゆっくり飲むハイボールがつくりたかった。
アサヒビール マーケティング本部
ワイン・スピリッツマーケティング部
ブラックニッカ ブランドマネージャー
坂本 英一

缶ハイボールと言えばゴクゴク飲むイメージがあったのですが、飲用実態を調べてみると、私たちの想像より時間をかけて飲まれているお客様が多くいらっしゃったので驚きました。ビールなどに比べると、あきらかに1本を飲みきるまでの時間が長い。だったら、ゆっくり時間をかけて飲んでもおいしいハイボールをつくろうと。そうしてできあがったのが、この「星空のハイボール」です。
まず考えたのは容器をボトル缶にできないかということでした。普通の缶では、どうしても開栓後に炭酸が抜けていってしまいますが、キャップができるボトル缶なら時間をかけても最後までおいしく飲めます。さらに飲み口が広いので、飲んだ時に口の中で香りがすごく広がるんです。こちらは当初狙っていたわけではなかったのですが、テスト品を試飲したときにボトル缶にして正解だったと確信しました。
ネーミングを「星空のハイボール」としたのは、ハイボールを選ぶ基準がブランドや味わいだけじゃなくて、気分で選んでもいいんじゃないかと思ったんです。のんびり、ぼーっとしながら空を見上げた時に、きれいな星空があったらそれだけでちょっと癒されるじゃないですか。このハイボールで、一日の終わりをゆったり過ごすくつろぎ時間にしてほしいですね。
くつろぐためのハイボールだから、
ウイスキーとソーダだけの自然な香りで。
ニッカウヰスキー
ブレンダー室
二瓶 晋

のんびりくつろぐためのハイボールということでしたので、できるだけ自然な香りと味わいで表現したいと考えました。ですから、ウイスキーとソーダだけでつくることは最初から決めて開発しています。ちょっとマニアックな話ですが、缶の表示にある「水割りウイスキー(発泡性①)」と表示された缶ハイボールは他にはあまり見ないんじゃないかなと思います。
ブレンドの組み立てを考えたときに、あまりクセが強すぎるとくつろぎの時間にはあわないと思いましたので、まろやかな甘い香りと若干のビターさを持ったホワイトオークの新樽モルトを香りと味わいのアクセントに使用しています。そこに飲みごたえと伸びのあるグレーンをバランス良くブレンドしました。ウイスキーらしい樽の香りとしっかりとした飲みごたえがあり、余韻にはわずかなビターさとやわらかな甘い香りが続きます。
今回はウイスキーの繊細な香りと味わいをより楽しんでいただくために、炭酸には純水ソーダを使用しました。ミネラル分を除去しているので刺激が少なく、舌触りが滑らかでまろやかな味わいのハイボールに仕上がりました。
原料をウイスキーとソーダだけにしたことで、ウイスキー本来の重層的な香りをより楽しんでいただけると思います。ぜひ、くつろぎの時間に心地よいウイスキーの香りを楽しんでください。